その28 特捜最前線
ちゃんが、中学生の頃よく見ていた刑事ドラマが「特捜最前線」。わが家では「太陽にほえろ」「西部警察」等「かっこいい」「かっこつけた」感じの刑事物は”ちゃんのお父さん”の方針であまり見られていませんでした。その反面「特捜最前線」や天知茂さんの「非情のライセンス」等、リアルな感じで、なんともやりきれない刑事物はよく見られていましたねぇ。ちゃんも「特捜最前線」は何か違うなぁ・・・。子供ながらにそういう感想を持っていました。必ずしも憎むべき人間ではない、まさに善人が、罪を犯して犯人となってしまう過程に潜む、人間の弱さ、社会の不条理がえぐり出されていくパターンも多かったと思います。またそれらの犯人に対して、剥き出しの暴力や、スマートな推理ではなく、人間性豊かなアプローチをしていく刑事たち、こういう姿こそまさしく「かっこいい」男だと思ったものでした。学校では「太陽にほえろ!」の話題について行くことが出来ませんでしたが、少数派でも「特捜」派でしたねぇ。
ちゃんが特に好きだったのは大滝秀治さんの「船村刑事」、藤岡弘さんの「桜井警部補」ですねぇ、本当に二人ともかっこいいとおもいました。またさらに関心を持っていたのは、特命捜査課のライバル課(捜査4課??)の蟹江敬三さん演ずる西岡刑事が時々登場して、常に悪のにおいをぷんぷんさせていたことです。そして真相は、最終回に二谷英明さんの「神代警視正」が命がけで戦いを挑んだ最後の巨悪、これに近づくために、蟹江さんはあえて自身の周りに黒い噂を流していたということでありました。ちゃんはうれしくてうれしくてしょうがありませんでした。(最終回となったことは残念でしたが。)
エンディングテーマ曲の「私だけの十字架を聞きながら、「特捜」が毎回やりきれないラストを迎えることとあいまって、なんとももの悲しい気持ちに浸っていた「ちゃん」でした。夕刻や夜の東京の映像がながれていくことも哀しい気持ちになったものです。
なお、ちゃんは弘兼憲史「人間交差点」という漫画も大好きです・・・・・・・。(2006.3.12)
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